「ISOのため」ではなく、日常業務の中で自然に動くマネジメントシステムへ
― メンテナンスの領域を広げ、その技術を世界へ ―
GCC Japan:
ショーボンドグループ様では、品質、環境、労働安全衛生の3つのISOマネジメントシステムを運用されています。まず、ISO認証に取り組まれた背景や目的についてお聞かせください。
ショーボンド建設株式会社 代表取締役社長 島田 貴靖様:
ISOを導入した当時は、品質、環境、安全などの管理について、支社や支店ごとにそれぞれ運用している部分がありました。
そこで、全社で共通したマネジメントシステムを構築することを目的として、世界基準であるISOに沿った仕組みを取り入れたというのがスタートだったと考えています。
私自身、当時は東京支店にいましたが、導入当初は「ISOのために書類を作る」という意識が強く、実務とは別の仕事をしているように感じる部分もありました。
しかし、再スタートしてからはかなり変わりました。現在ではISOが日常業務の中に自然に入り込んでいます。「ISOのためにこれをやる」という感覚ではなく、普段どおり仕事をしていれば、それがマネジメントシステムに沿った活動になっている。そういう状態になってきたと思います。
GCC Japan:
ISOが会社のインフラとして、かなり定着してきたということですね。では、品質・環境・労働安全衛生について、今後さらに強化していきたい点はありますか。
ショーボンド建設 島田様:
品質と安全では、少し考え方が違うと思っています。
品質については、全国どこの現場でも安定した品質を提供することが重要です。現場によって品質にばらつきが出るのではなく、共通した基準に基づいて管理し、ショーボンドグループとして一定の品質を保証していくことが必要です。
一方、安全はルールを作って守らせるだけでは十分ではありません。最終的に安全をつくるのは「人」です。
これまで各支社で安全衛生活動を進め、それぞれ成果を上げてきました。次のステージでは、その良い取組や安全文化を全社へ展開していきたいと考えています。
そのため、以前活動していた全社の安全衛生連合会を再始動しました。ただ本社が一方的にルールを決めるのではなく、各支社や協力会社の自主性を大切にしながら、ショーボンドグループ全体の安全文化をさらに高めていきたいと思っています。
GCC Japan:
今回の審査でも、トップインタビューでお聞きした方針を各審査員が現場で確認していきます。GCC JapanによるISO審査には、どのようなことを期待されていますか。
ショーボンド建設 島田様:
ISOの仕組みが、本社だけではなく現場まできちんと浸透しているかを第三者の目で確認していただくことには、大きな意味があると思っています。
以前であれば、現場で起きた小さな品質上の問題が、その現場の中だけで終わってしまうようなこともありました。
現在は、そうした情報が本社へ報告され、どのような対応をしたのか、そのプロセスまで確認できるようになってきています。
そうした仕組みが会社の末端まで本当に機能しているのか。そこは、当社に精通しているGCC Japanの審査員だからこそ確認できるところだと思いますので、むしろ少し厳しい目で見ていただきたいと思っています。GCC Japanを審査機関として選んだ理由もそこにあります。
GCC Japan:
島田社長は新たに社長へ就任されました。前社長から引き継がれた経営基盤を踏まえ、今後の大きな経営課題をどのように捉えていらっしゃいますか。
ショーボンド建設 島田様:
前社長の時代には、高速道路の大規模更新工事に対応するため、人材、組織、研修センターなど、さまざまな面で基盤強化を進めてきました。
その結果、現在は大規模で長期間にわたる工事にも対応できる非常に強い基盤ができています。
一方で、ここ2~3年は高速道路会社、特にNEXCO関連の発注が減少しています。
その中で私が取り組まなければならないのが、“領域の拡大”です。
これまで強みとしてきた道路分野だけではなく、建築、鉄道、港湾、民間施設などへメンテナンスの領域を広げていく。
私たちには技術があります。方法があります。そして高いスキルを持った社員がいます。その強みを生かして、「メンテナンス」というショーボンドの事業領域そのものを広げていくことが、これからの重要なテーマだと考えています。
GCC Japan:
「領域の拡大」には、海外も含まれるのでしょうか。
ショーボンド建設 島田様:
はい。国内だけでなく海外も重要な領域だと考えています。
海外のインフラも、いずれ必ず老朽化します。そのときになって初めて海外へ出ていくのでは遅い。10年、20年という長いスパンで考えれば、今から現地企業との関係や事業の基盤を少しずつつくっていく必要があります。
米国やタイでは既に取組を進めていますし、インドでも経済産業省のグローバルサウス事業に採択され、日本のモニタリング・補修技術を実証する取組を進める予定です。
日本と同じものをそのまま海外へ持っていけばよいとも考えていません。その国、その地域に適した材料や工法を考え、現地企業と連携しながらメンテナンスを根付かせていくことが大切だと思っています。
目指しているのは、ショーボンドのメンテナンス技術を世界へ展開することです。
GCC Japan:
その事業領域を広げていくためには、人材も非常に重要になりますね。
ショーボンド建設 島田様:
ありがたいことに、現在はメンテナンス分野そのものに関心を持って当社を志望してくれる学生が増えています。
地震や水害などの災害を経験し、「社会に貢献できる仕事をしたい」と考えてメンテナンスの世界を志してくれる学生もいます。これは非常に嬉しいことです。
また、海外展開を考えれば人材の多様化も必要です。インドやタイ・ミャンマーなど外国籍の社員も増えてきています。
国籍を問わず、まず日本でショーボンドのメンテナンス技術をしっかり身につけ、その技術を将来海外へ展開できる人材を育てていきたいと思っています。
GCC Japan:
最後に、ショーボンドグループがこれから目指していく姿についてお聞かせください。
ショーボンド建設 島田様:
当社の社是には「社会への貢献」があります。
これは創業者から受け継いできた考え方です。インフラを守り、長く使えるようにするメンテナンス事業そのものが、社会への貢献であり、環境への貢献にもつながっていると考えています。
創業者がインフラメンテナンスにかけた思いと、前社長がつくり上げた強い事業基盤を受け継いで、次の展開を図っていくことが私の役割だと思っています。
国内ではメンテナンスの領域をさらに広げ、そして将来的には海外へ。
「ショーボンドのメンテナンスを世界へ」
その実現に向けて、これから取り組んでいきたいと思います。
GCC Japan:
ISOを特別な活動としてではなく日常業務の中に定着させ、その基盤の上で「領域の拡大」と海外展開という次のステージへ進まれていることがよく分かりました。
GCC Japanとしても、ショーボンドグループ様のマネジメントシステムが各現場まで有効に浸透しているかをしっかり確認するとともに、今後の変革と成長に役立つ審査を提供していきたいと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
企業情報 COMPANY INFO
- 社名
- ショーボンド建設株式会社
- 所在地
- 〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町7番8号
- 事業内容
1. 土木建築工事の請負
2. 土木建築工事の設計ならびにコンサルタント業務
3. 土木建築用機械器具および製品の製造、販売、施工
4. 土木建築用機械器具および製品の輸出入
5. 各種標示装置および器具の製造、販売、施工
6. 各種標示装置および器具の輸出
7. 毒物および劇物の販売
8. 前各号に附帯または関連する一切の業務
